ゲーム理論② 「絶対優位な手」

ゲーム理論の考え方の一つに、「絶対優位な手」という考え方があります。これは、たとえ相手がどのように行動したとしても、自分はある特定の行動をした方がいつでも有利であるというケースです。
具体的な例を使って説明をします。

 

例)A社とB社は特定の分野で競争をしています。A社とB社は現状でもある程度の利益が出ていますが、値下げに踏み切ることで、相手のシェアを奪って利益を増やす検討をしています。価格を維持した場合と値下げをした場合のそれぞれの利益額は以下の通りとなることがシミュレーションによってわかりました。それぞれの企業は、相手の企業がどのような打ち手をとってくるか分かりません。このような場合、A社は値下げに踏み切るべきでしょうか。









では、具体的に見ていきましょう。上記のケースの場合、B社が価格を維持したとしても、値下げをしたとしても、A社は価格をそのままにした方が、高い利益を得ることができです。そのため、A社にとって「価格維持」が「絶対優位な手」であると言えます。A社は「絶対優位な手」である「価格維持」を選択すべきです。

ただし、この「絶対優位な手」がどのようなケースでも存在するわけではありません。別の例を見ていきましょう。

例)先ほどと同様にC社とD社は別の特定の分野で競争をしています。価格を維持した場合と値下げをした場合のそれぞれの利益額は以下の通りとなることがシミュレーションによってわかりました。それぞれの企業は、相手の企業がどのような打ち手をとってくるか分かりません。このような場合、C社は値下げに踏み切るべきでしょうか。









今回のケースでは、D社が値下げをした場合は、C社も値下げをしていると、30万円の黒字が確保できますが、価格を維持してしまうと、50万円の赤字に陥ります。一方、D社が価格を維持した場合は、C社も価格を維持することで100万円の利益を確保することができます。今回のケースでは、必ず優位な手、「絶対優位の手」が存在しません。このようなケースでは、「ミニマックス戦略」が有効です。

最終更新 ( 2010/10/29 19:53 )