手段の目的化

「手段の目的化」とは、本来他の成果を得るための手段である行動について、その行動をとること自体が目的となってしまうことを指します。個人としても、組織としても日々起こりうる「手段の目的化」について解説します。

 

日常生活の中で言うと、「ダイエット」や「結婚」などは、本来、その先の目的があったはずなのに、それ自体が目的化してしまう(手段の目的化)典型的な例であるといえます。

仕事の中でも「手段の目的化」がしばしば起こります。たとえば、データや情報収集時に、正しい情報を得ることことにのみ意識が集中し、いつの間にか情報収集事態が目的となってしまい、結局、そのデータや情報から何を分析し、何を主張したかったのかわからなくなってしまうことが起きてしまいます。作業自体に没頭してしまう経験は、多くの人にあるはずです。

また、「手段の目的化」は個人単位で起こるだけでなく、事業や会社単位でも起こります。経営効率を上げる・収益力を上げることを目的としてコスト削減をスタートしたはずなのに、いつしかコスト削減すること自体が目的となってしまい、削減してはいけないものまで削減してしまった結果、生産体制がボロボロになってしまったり、商品の品質が劣化してしまい利益が減少してしまうケースがあります。

近視眼的な考えに陥ってしまい、高い視点から考えることができなくなってしまうと、「手段の目的化」が起こってしまうと、おのずと、望ましい結果を得ることが難しくなってしまいます。むしろ事業・会社にとってマイナスの結果をもたらすことさえあるのです。

それでは、「手段の目的化」を防ぐためには何が必要でしょうか?

残念ながら、「手段の目的化」を避けるための特効薬はありません。「手段の目的化」を避けるためには、ひとりひとりが常に「なぜ?」と考えていくしか、ありません。つまり、日々自分の業務や仕事を振り返り、今の業務・仕事の目的を立ち返り検証するなど自分の中で健全な批判精神を常に持つことが、非常に従なのです。

トヨタ自動車の有名な思考法である『「なぜ?」を5回繰り返せ』というのも「手段の目的化」を防止する効果的な方法のひとつといえるでしょう。

「これをやることで何が達成できるのか?」
「そもそも自分がこれをやる必要があるのか?」
「そもそも何のためにこれをやっているの?」
「他にやり方はないの?」

今一度、あなたの仕事の中で「手段の目的化」が起こっていないか見つめ直してみましょう。

 

最終更新 ( 2010/05/11 14:23 )