氷山モデルの水面下に触れることが必須
360度サーベイを活用したリーダー研修はポピュラーで効果的な手法ですが、職場に帰って一か月もすると「もとに戻ってしまう」現象が多発します。自己の欠点に気づいたのに、リーダーはなぜ変われないのでしょうか。
それは氷山モデルの水面下における気づきが生じていないからです。例えば部下をマイクロマネジメントしてしまう上司は珍しくありません。サーベイ結果でその事実(氷山の水面の上の部分)を知って反省しても、職場にもどるとまたマイクロマネジメントしてしまいます。彼・彼女に必要なのは水面下の気づきです。
例えばリーダーが「部下が失敗すると、リーダーである自分が無能と思われる」という信念体系を持っていたことに気づいたとします。そして、それを手放す必要性をひしひしと感じた時、マイクロマネジメントというリーダー行動は本質的に変容します。弊社のリーダーシップ研修はそこに力点を置いています。
フォロー研修を強くお勧めします
1日や2日間のリーダー研修はとても効果的な場面です。上記のように氷山の水面下に触れうることができると、さらにリーダーの行動変容が加速します。とはいえ、1回切りのトレーニングには限界があります。例えば、2日間のゴルフ合宿に1回参加しただけで100を切れるかを想像してみて頂けると良いかもしれません。
日々の努力を動機づけるため、そして日々の努力を振り返るためにフォロー研修が効果的です。ここで、360度サーベイをもう一度とる必要はありません。周囲の方たちからのフリーコメントだけで充分にリーダーに刺激となります。例えば以下の項目のフリーコメントを周囲から収集することが有用です。
- 前回のリーダーシップ研修後の約〇か月で、〇〇氏のリーダーとしての意識や行動が良い方向に変化した(変化しつつある)点があれば、その内容を具体的に教えてください
- 〇〇氏のリーダーとしての意識や行動で、改善を希望したにもかかわらず、変化が認められない点があれば、その内容を具体的に教えてください
- その他、現在の〇〇氏が発揮しているリーダーシップに関して、ご本人に伝えたいことがあればご記述ください
氷山の水面下も扱う。そしてフォロー研修を実施する。それだけで360度サーベイを活用したリーダー研修の効果は劇的に向上します。