マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック

 

第三章『データを収集する』

仮説を立て、それを証明するのに必要な分析方法が決まったら、次は分析を行うためのデータを収集します。事実に基づくことで聞き手の不信感を払拭し、信頼感を醸成することができます。データを収集するためのテクニックとして、「面接調査のテクニック」と「ナレッジ・マネジメント」について述べています。

1)面接調査のテクニック

面接調査で心がけるべきなのは、準備と礼儀であると述べています。そして、7つの戦略を挙げています。

・面接を成功させる7つの戦略

1)面接相手の上司にお膳立てしてもらう

2)二人組みで面接をする

3)誘導しないで耳を傾ける

4)相手が言ったことを言い換えて確認する

5)間接的アプローチを用いる

6)面接相手に多くを求めすぎない

7)コロンボ戦術をつかう

(面接を終えるときに、はたともう一つ質問をする)

また、面接前後のフォローに気を配ることも重要であると言っています。(面接ガイドを事前に送ったり、終わったら必ず礼状を送ったりすることも必要があるといっています。

2)ナレッジ・マネジメント

データは事実であり、発生したことの観測結果であり数字です。情報は、データを集めたものや、いくらか統合したものです。知識とは、付加価値プロセスにおいて情報と経験と状況が渾然一体となったものです。ナレッジ・マネジメントは、社内の体系化されていない知識と体系化された知識の価値を、組織が最大限に活用できるようにするシステマティックに活用する必要があります。

第四章『分析結果を解釈する』

これまでの第1~3章では、最初の仮説を立てるところから分析の計画を経て、分析の対象となるデータの収集までを取り上げました。ここからは、どのように分析から結論を導き出し、有益な提案にまとめるのか、自分の組織で実践するにはどうすればよいかを説明します。データの解釈には二つの重要なポイントあります。1つは「データを理解すること」もうひとつは「最終結果を生み出すこと」です。

1.データを理解する

データを分析するのに実際に用いるテクニックは、どういう分析をしているか、どういう会社・業種かによって違ってきます。ここでは、実際の分析で具体的に説明するのではなく、どの分析を選んで場合でも、その結果をまとめて重要な決定を下すようなテクニックを例示します。

8020の法則

この経験則によると、研究による結果の80%が分析した事例の20%から生み出されるとされています。つまり、対象となっている一連の要素のうち、ほんの一握りの要素が結果の大部分の源泉であるのが一般的であるということです。この法則が例外なく利用できるわけではありませんが、物事を予測するときのツールとして役に立ちます。

・毎日一つチャートを作る

一日の仕事も終わりに差し掛かったら、「今日学んだ最も重要な三つのことは何だろう」と自問する。退社前の30分ほどをかけて、それを紙に書きまとめる。これだけのことが、思考を前進させるのに役立ちます。

・解決策に事実をあてはめない

事実が仮説と合致しない場合、変えなければならないのは仮説の方であって、事実ではありません。 事実と仮説と矛盾するときは、事実を隠したりしないで仮説を変えなければなりません。

・「だからどうなのだ?」と考える

その分析は何を物語っているのか、そのことがどう役立つのか、どういう提案につながるのか、と自問します。また、それが的外れでないことを確かめる必要があります。

2.最終結果を生み出す

「最終結果」といっても、解決策をクライアントに伝えるのに用いるチャート、スライドなどを集めたものではなく、伝えるメッセージの中身のことです。つまり、あなたがデータの意味をどう捉えているかを示したものです。ここでは、ストーリーから解決策に進む方法を説明します。

・クライアントに合った解決策を提案する

成功を約束するような最高に素晴らしい解決策といえども、クライアントや会社が実行できなければ全くの無駄骨に終わってしまいます。それを防ぐには、クライアントや会社を良く知り、それらの強み、弱点、能力、さらには何ができて、何ができないのかを探る必要があるのです。

・クライアントの眼を通して見る

その分析が、あなたにとって何を意味するかではなくクライアントに何をもたらすのかを考えることが大切です。

・クライアントの能力の限界を考慮する

最終結果をまとめるときは、提案がクライアントにとって実行可能かどうかを常に考えましょう。また、分析そのものも、大体において部外者に理解できるものでなければならなりません。その最大の理由は、分析が最終的に決定・実行する人たちに理解されなければ、彼らの支持を得にくいからです。

・クライアントに言わないで良いことは言わない

問題解決プロセスの目標は、素晴らしいアイデアを思いつくことだけではありません。この上なく優れたアイデアや巧妙な戦略でも、クライアントに受け入れられない実行されなかったら何の価値もありません。だからこそ、伝える必要がないことは、黙っておきましょう。ありったけの事実をストーリーに盛り込まないことです。そんなことをしてしまうと、聞く側が関係の無い細部に気を取られ、ストーリーが伝わりにくくなってしまいます。

第五章『最終結果をプレゼンテーションする』

課題の発見、原因の分析、解決策の立案、資料作成、ここまで、数多くの準備をしてきたにもかかわらず、最後のプレゼンテーションが失敗してしまっては、すべてが無駄になります。本書では、このような失敗が起こらないようにと、プレゼンテーションのテクニックにある程度のページを割いています。著者はプレゼンテーションを成功するためには、「理解してもらうこと」「同意を得ること」の2つが重要であると説明しています。著者の主張を具体的に説明します。

1.理解してもらう

プレゼンテーションとは、自分の考えを出席者に理解してもらうことがスタートです。そのためには、出席者の頭にすっと入って楽についてこられるような構造を持たせることです。この項では、最大の効果を上げられるプレゼンの組み立て方を説明します。

・誰にでもわかる道順を示す

プレゼンテーションを成功させるには、はっきりしたわかりやすい道順を示して、まずは、出席者があなたの論理について行けるようにすることが重要です。明確で論理的に整理する必要があります。明確なビジョンを持ち、論理的な流れを持たせることです。そのためにも、プレゼンテーションにおいても、自分が立てた仮説をMECEに整理し、それに対応する問題点もMECEに分けることが重要です。これにより、プレゼンテーションにすぐに使えるアウトラインが完成します。

・結論から始める

結論からプレゼンテーションを始めることで話の核心に至るのが早くなり、聞き手がついていきやすくなります。また、プレゼンテーションを実施する際に、どこまで詳しく説明するかを自由に決めることが可能になります。

・簡潔に(一つのチャートに一つのメッセージ)

チャートは、見る人に直ちに理解されなければ意味がありません。そこで、一つのチャートで複数のポイントを示したいときは、それぞれのポイント用にチャートを用意し、チャートごとに当該の情報を際立たせることが重要です。

・証拠資料はシンプルに

データを提示するときは、必ず情報源を記すようにしましょう。出典を聞かれてもすぐに答えられ、更に、数年後に情報が必要になったときでも、どこに探せば良いかすぐに分かるようになります。

・エレベータテスト

自分が考えた解決案を熟知し、エレベータに乗っている30秒間に明確かつ正確に説明できるようにしましょう。このテストに合格できれば、自分の仕事を熟知しているのと同義となります。

2.同意を得る

プレゼンテーションは手段でしかなく、それ自体が目的ではありません。いくらプレゼンテーションが立派でも、提案を受け入れて実行してくれなければ意味がありません。失敗しないためには、同意を勝ち取るテクニックを用いること、つまり、必要な策を講じて、聞き手が提案を受け入れる可能性を最大限に高めることが非常に重要です。

・関係者全員に事前報告する

優れたビジネス・プレゼンテーションには、出席者が驚くような意外な内容が含まれていてはいけません。そこで、担当の意思決定者に内容を事前に説明しておくべきです。これにより、提案する解決案に断固として反対されるという不意打ちを防ぐことが出来ます。更に、自分の下した結論の現実性をもう一度、確かめることにもつながります。

・プレゼンテーションを聞き手に合わせる

出席者が誰で、何を好み、どういう背景があるのかを知ることが重要です。

・柔軟に対応する

プレゼンテーションの構造をしっかりさせ、聞き手の反応に合わせて柔軟に進め方を変える必要があります。

<我々の考察>

本書の面白みは、コンサルタントの技といっても、決して高度なことばかりではく、意外と地味な内容が多いことです。たとえば、プレゼンテーションの前に、事前にキーパーソンのOKを取っておく、とか、クライアントにはすべてを伝えるのではなく、必要な部分をかいつまんで伝える、といった内容です。

一般のビジネスパーソンが普段から実施しているような内容をトップコンサルティングファームでも実直に行い、それが積み重なることでマッキンゼーをマッキンゼーたらしめているのは、興味深い点です。

 

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