ビジネスEQ

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【書籍データ】
書名:ビジネスEQ
著者:ダニエル・ゴールマン
出版社:東洋経済新報社
価格:2200円+税
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492553908/


【要約・解説】

ビジネスパーソン個人や組織が成功するためには、IQや専門能力よりもEQのほうがより大きな影響を及ぼすと著者は主張しています。では、そのEQ(感情コンピテンス)とは具体的に何なのでしょうか。著者は3段階の枝分かれ構造でそれを示しています。

最初の枝分かれを「●」、2段階目の枝分かれを「○」、3段階目の枝分かれを「・」で示すと下記のようになります。「●」は2個、「○」は5個、「・」は25個あります。一部、翻訳が直訳になっていてわかりにくい部分は、我々の判断で意訳に修正しています。

●個人的コンピテンス:自分自身をどうマネジするかを決定するコンピテンス
○自己認識:自分自身の内的状況、嗜好、リソース、直観を理解する
・感情の理解:自分自身の感情とその影響を理解する
・正確な自己評価:自分の強み、弱みを理解する
・自己確信:自分の価値と能力に対する強力な自信
○自己統制:自分自身の内的状況、衝動、リソースをマネジする
・自己コントロール:望ましくない感情や衝動を監視する
・信頼感:倫理的に行動する
・誠実性:自らの業績に対して責任を負う
・適応性:変化に柔軟に対応する
・イノベーション:新しいアイデアを求め、生み出す
○モチベーション:ゴールに到達することを促す感情
・達成意欲:卓越した業績を達成し、さらなる向上を目指す意欲
・コミットメント:グループや組織の目標に貢献する
・率先行動:機会を活かす行動を積極的に進める
・楽観的主義:障害や問題にめげず、目標達成にめばり強く取り組む
●社会的コンピテンス:対人関係をどうマネジするかを決定するコンピテンス
○共感性:ほかの人の感情、ニーズ、関心を理解する
・ほかの人たちを理解する:ほかの人たちの感情と考え方を感じ取り、彼らの関心に積極的な興味を示す
・ほかの人たちを育てる:ほかの人たちの開発ニーズを感じとり、その能力を伸ばす
・サービス重視:顧客のニーズを予測し、認識し、満足させる
・多様性を活かす:多様な人材を活用して機会を創出する
・パワー関係の理解:グループ内の感情的流れとパワー関係を読みとる
○社会的スキル:ほかの人から望ましい反応を引き出す技能
・影響を及ぼす:説得のために効果的手法を活用する
・コミュニケーション:他人に耳を傾け、説得力のあるメッセージを送る
・対立マネジメント:意見の不一致に働きかけ、それを解消する
・リーダーシップ:個人とグループを鼓舞し、ガイドする
・変革の触媒:変革を起こし、マネジする
・連帯を築く:相互支援的な関係を生み出す
・協調と協力:共通のゴールに向けてほかの人たちと一緒に仕事を進める
・チーム能力:チーム全体のゴールを追及するために、グループとしてのシナジー(相乗効果)を生む

著者はこれらの能力は先天的に決まっているものではなく、後天的に育成して伸ばすことが可能だと述べています。その育成プロセスにおいては、以下に述べる要素が重要だとしています。

・教育をほどこす人たちが担当する職務を評価する
・育成される個人を評価する
・細心の注意を払って評価結果をフィードバックする
・その人が育成を受け入れる状態にあるかを測定する
・人材をモチベートする
・学習を自己主導の形で進める
・明確でマネジ可能なゴールに焦点を絞る
・後戻りを防止する
・変革の達成状況をフィードバックする
・学習したことの実践を促す
・支援体制を整える
・模範を示す
・変革を奨励し補強する
・結果を評価する

【我々の考察】

EQというと全く新しい概念のように感じますが、実は誰もが以前から重要視してきたことがらに対して新しい名前を付け加えたといったほうが適切でしょう。具体的には以下のようなことです。

「性格が良い」「人徳がある」「率先垂範ができている」「毅然とした態度」「ねばり強い」「がまん強い」「柔軟性がある」「明るく元気」「気が利く」「空気が読める」「ムードメーカー」「心が暖かい」「思いやりがある」「積極的」「献身的」「清廉潔白」などなど。

なので、この本を受動的に読んでも「そりゃ、そうだよな。」といった確認に留まる危険性が高いです。むしろこの本を能動的に読み、以下のような質問を自分自身や自分の会社に対して問いかけてみることを我々はお勧めします。

・わが社の採用基準にはEQ的な要素が含まれているだろうか。それが明文化されているだろうか。著者が示す25の要素から新たに取り入れられるものがないだろうか

・わが社の評価基準(昇進・昇格基準)にはEQ的な要素が含まれているだろうか。それが明文化されているだろうか。25の要素から取り入れられるものがないだろうか

・わが社の人材育成のしくみで、EQ的なものを育てるものがあるだろうか。もしなければ、どのように実施すれば良いだろうか

・著者が示す25の要素を、わが社にとっての重要度で「高・中・低」や「○・×」などに仕分けるとどうなるだろうか

・わが社でロールモデルとされる人(成功している人)は、著者が示す25の要素のどの部分に顕著な強みがあるだろうか。その具体的エピソードにはどのようなものがあるだろうか

・著者が示す25の要素を、今自分が担当している業務においての重要度で「高・中・低」や「○・×」などに仕分けるとどうなるだろうか


・25の要素を自分自身にあてはめて、「高・中・低」や「○・×」などで自己評価するとどうなるだろうか

・25の要素という視点で、自分は他者にどう映っているだろうか。実際に何人かに聞いてみるとどんな結果になるだろうか

→このサイトの執筆陣6名で、実際に他者評価を付け合ってみました。具体的には25項目をほぼ半々に「○」と「×」に仕分けることをしました。「やっぱり」、「えっ。僕ってそんな人に見えていたの?」などと様々な学びがありました。これはお勧めです。

・上記で得られた自分の強みをもっと生かすにはどうすれば良いだろうか

・上記で得られた自分の弱みを補うにはどうすれば良いだろうか

【余談】

この書籍に先だって同じ著者がEQという概念を紹介した書籍に「EQ―こころの知能指数」があります。そこで「マシュマロテスト」という興味深い実験とその結果が記述されています。

4歳児の子ども達に、1人1つマシュマロをあげて、「今から私は15分いなくなるけど、そのマシュマロは食べて良いよ。でももし私が帰ってくるまで我慢できたら、もう1つあげるね」と伝え、その実験場を出た後、子どもがどのような行動に出るかを実験しました。

待つことが出来て追加のマシュマロを得た子供はEQが高く、待てなかった子供はEQが低いというわけです。

このテストの10年後、待つ事が出来た4歳児は困難な課題を進んでこなし、意欲が高く、学力も高い少年・少女に育ったという追跡結果が出ているそうです。

 

 

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