グルーポンビジネスにせまる

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グルーポン(Groupon)はアンドリュー・メイソン(Andrew Mason)によって、イリノイ州シカゴで2008年11月に創業されました。そのサービスは、Group×Couponの語源のとおり、クーポンの共同購入サイトの運営で、通常50%以上という大幅な割引率のクーポンを24時間から72時間という短期間で販売するのがその特徴です。短期間(フラッシュ)にWEB上で集客から販売までを行うこの仕組みはフラッシュマーケティングと呼ばれ、飲食店、エステ等のリアル店舗からエンターテイメントのチケット、宿泊施設、物販等まで多種多様のクーポンが数多く販売され、1日1エリア1クーポンという点もその特徴です。また、TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークサービスの普及により、お得な情報、面白い情報が短時間で一気に伝播していくという環境も追い風となっております。

2008年にスタートしたグルーポンの2010年の売上高は3億5000万ドル(約300臆円)と推計され、史上最速の成長率を誇るスタートアップとして、またそのビジネスモデルが注目を集めております。日本では「共同購入型クーポン」「事前購入型クーポン」などと呼ばれ、2010年4月から類似サービスが数多く立ち上がり2010年10月には100以上に達したと言われております。


■特徴

集客をしたい飲食店などのサービス提供事業者に定価の50%を超える大幅な割引率のクーポンを発行させて、そのクーポンを枚数、販売時間を限定してWEB上で販売します。一定販売数を越えたら取引が成立し、販売時間内でも上限枚数に達したら終了します。逆に販売数が所定の枚数を越えない場合、クーポンは販売されません。特徴をまとめると以下となります。

  • ① 注目を集めるための大幅な割引率(50%以上)
  • ② 販売期間、販売枚数を限定
  • ③ 決められた数以上の購入が取引成立の条件


■収益構造

クーポンを販売するサイトは、クーポン販売金額の20~50%を手数料として受け取り、手数料率は業種、販売数量等をもとにクーポン発行店舗と販売サイトの交渉により決定されます。店舗側には手数料を引かれた後のクーポン売上が支払われます。

例)

定価10,000円のコース料理のクーポンが50%オフの5,000円で販売!

各社収益 クーポン販売サイト 2,500円 クーポン発行企業 2,500円

※販売手数料率50%の場合


販売されたクーポンは通常半年程度の有効期限が設定されており、有効期限内に利用されないクーポンが一説には20%前後発生するとの情報もあり、その失効分の売上は店舗側の利益となる契約もあれば、クーポン販売サイトが取るという契約の場合もあります。


■クーポン発行企業のメリット、デメリット

クーポンの販売が一定数を超えず、取引が成立しない場合、クーポン発行企業の費用負担はなく、クーポン販売サイトへ支払われる手数料もクーポンの販売枚数に連動しているため、完全成果連動型の広告という見方もできます。

クーポンを販売するサイトは短期間で大量のクーポンを販売して収益を上げることを目的としているため、クーポン発行企業が対応できるキャパシティを越えるクーポンの販売による混乱や一見客ばかりが送客されサービス提供事業者にとって大切なリピーター獲得につながりにくいなどの課題もあります。以下メリット、デメリットをまとめます。

【メリット】

  • ・ 成果連動型で集客が行える
  • ・ 短期間に大量の集客が行える
  • ・ 新規顧客の獲得であり、そこからリピーターの獲得も期待できる
  • ・ 利用されないクーポンは100%利益となる

※クーポン販売サイトによっては発行企業に入らないケースがある


【デメリット】

  • ・ サービスによっては原価割れでサービスを提供する必要がある
  • ・ クーポン利用だけの一見客しか集まらずリピーターの確保につながらないケースがある
  • ・ 割引だから利用するというバーゲンハンターばかりが集まりお客様の質が下がる可能性がある
  • ・ 一度に大量のユーザーの来店が発生する可能性があり、リピーター離れを起こす可能性がある


■ユーザーから見たメリット、デメリット

大幅な割引率のクーポンがWEBで簡単に購入ができるのは大きな魅力です。また、販売期間が限定されていたり、人気のあるクーポンはすぐに売り切れてしまうため、今すぐ買わないと買えなくなる!という切迫感、扇動感は冷静な判断をしにくい状況をもたらす可能性もあり、結局使わず失効してしまうケースも想定されます。また、そもそも人気がある店舗はクーポンを発行して新規顧客の獲得を行う必要がないことを考えると、クーポンを販売しているお店に高いレベルのサービスを期待することは難しいという状況も想定できます。

以下ユーザーのメリットデメリットをまとめます。

【メリット】

  • ・ 手軽にお得なクーポンが入手できる
  • ・ 行ってみたかったお店、受けてみたかったサービスを格安で体験できる可能性がある
  • ・ 新しいお店へ行くときのきっかけとなる

【デメリット】

  • ・ 枚数、期間限定という状況に扇動され、利用しないクーポンを買ってしまう可能性がある
  • ・ お店のレベルが低く、期待通りのサービスを受けられない可能性がある
  • ・ 期間内にクーポンを利用しなければならないという切迫感


■日本での展開

日本では2010年4月にPikuがサービスをスタートしたあと次々と類似サービスが立ち上がり、KAUPON(カウポン)、Qpod(クーポッド 2010年8月に米グルーポンの出資を受けグルーポンジャパンとなる)、リクルートのポンパレ、光通信のshareee(シェアリー)、ジャフコから5億の出資を受けたLUXA(ルクサ)などがメインプレーヤーとしてサービスを提供しております。2010年6月時点では6社だった類似サービス事業者は、ウェブ上のクーポン販売のシステムの差別化要素が少なく、シンプルなものであるため競争は過熱し、2010年10月時点で100サイトを越えております。しかし2011年5月現在営業力、大量の広告出稿を行う資金力等の要因により寡占化が進んでおり、以下のような売上実績となっております。

groupon_matrix


引用元:http://cereja.co.jp/press20110502.pdf


■トラブル、課題

スタートしたばかりのサービスであり、競合も激しいことからトラブル、問題も数多く発生しております。以下発生した主なトラブルをまとめます。

【二重価格表示】

大幅な割引率をクーポンの魅力としているので、本来の値段が実際に販売されたことのないものを定価として提示しているケースがあり、これは景品表示法で禁止されております。



【キャパシティを超えたクーポン販売】

店舗での対応客数を超えたクーポンの販売などにより、途中でクーポンの利用条件、有効期間を変更するという問題も発生しております。なかでも生産能力を超えた受注をして、内容が提示されていた写真と大きく異なる御節を遅延して発送したケースはマスコミ、ネットで大きく取り上げられ大きな問題となりました。


【サービス事業者の倒産】

集客に困っているサービス事業者がクーポンを発行するケースも多いため、クーポンを販売した後に事業者が倒産してクーポンが使えないというケースも発生しております。


【システムトラブル】

短時間に大量のユーザーがサイトに殺到し、クーポン購入を行うため、キャンペーンなどで1,000円のQUOカードを100円で提供といった取引が行われた際、システムがダウンするというケースが発生しております。


■共同購入クーポンの今後

さまざまな問題が発生している共同購入クーポンですが、上記にもあるとおり売上は伸びており、日本全国のエリアに拡大をしております。さまざまなクーポンが販売されることにより、共同購入クーポンに向いたサービスとそうではないサービスが判明してくる、あるいはユーザーに人気のある売れるクーポン、売れないクーポンの選別も進んできております。さまざまなプレイヤーが競争することにより、今後も業界は拡大していくことが予想されます。


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以上