
「シックスシグマ」の語源となっているのは、統計学における標準偏差を意味するシグマ(σ)です。
正規分布に従う場合に、±6σの外に出る確率は100万分の3.4となります。すなわち、ある製造工程において、100万個製品を組み立てて3.4個のばらつき(不良品)が生じる状態が6σという状態なのです。「100万回作業を実施しても不良品の発生率を3.4回に抑える」ことのスローガンとして「シックスシグマ」という言葉は使われ、後に経営管理手法を表す言葉として定着しました。
1990年代半ばに、GE(ゼネラル・エレクトリック)がジャック・ウェルチ氏のもと、製造プロセスだけではなく経営活動におけるプロセス全般を対象に「シックスシグマ」を導入して大きな成果を上げたことから、経営管理手法として一躍有名になりました。
各プロジェクトでは、トップマネジメントが「顧客の視点」をもとにして改善したいポイントと要件を定義し、ブラックベルト(黒帯)と呼ばれる「シックスシグマ」のエキスパートの下に現場作業者のチームが編成され、数カ月間の有期プロジェクトとして改善活動を実施します。
活動の内容は、「COPQ(Cost Of Poor Quality:製品やサービスの品質不良のために生じる無駄なコスト)」と「CTQ(Critical To Quality:経営品質に決定的な影響を与える要因)」の2つの指標・要因をもとに、プロセスなどをフローチャート化し、「DMAIC」(定義(Define)→計測「Measurement」→分析「Analysis」→改善「Improvement」→定着「Control」)のサイクルをまわすことで各プロセスをチェックし、欠陥が起こる部分の改善作業を継続的に行います。
多くの社員がシックスシグマ活動を経験することにより、「経営課題に対して、顧客視点で科学的に改善策を練る」という習慣が企業文化として根付いたり、リーダー育成につながるため、財務的な効果だけではなく人材育成効果もあるとされています。
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