チャネル戦略(流通戦略)


チャネル戦略とは、マーケティングの4Pのひとつ「Place」にあたり、商品の販売において重要な戦略となります。

この「P」すなわちチャネル戦略は、他のマーケティングの4PProduct,Price,Promotion)とは大きく異なり、大部分が基本的に外部資源であるという特徴があります。構築には時間と費用がかかり、いったん構築してしまうと変更が難しいという特徴があることから、中長期的視点にて戦略を策定する必要があります。

それではチャネル戦略を説明する前に、まず、流通チャネルとはどういうものかを例を使ってご説明します。

流通チャネルは、まず自社の営業組織と外部組織に分類されます。さらに自社の営業組織の中でもエンドユーザーに直接販売する場合と、外部組織に販売するケースに分かれます。
外部組織は、小売業者と卸売業者に分類され、一般的に小売業者の方が高いマージンが設定されています。
この、組み合わせを商品の特性やターゲット顧客に応じて、戦略的に構築していくことがチャネル戦略になります。


次に、チャネル戦略の構築方法をご説明します。
ここでまず大きく2つのポイントを
決める必要があります。

(1)
チャネルの長さ

まず流通チャネルの長さを決定する必要があります。これは、流通の段階数を表し、ゼロ段階(直販)、1段階(小売業者が介在)、2段階(卸業者と小売業者が介在)、3段階(卸業者、二次卸業者、小売業者が介在)が存在します。
この決定にあたり、総販売量・製品ラインの幅広さ、顧客の地理的集中度、1取引あたりの取引量などから判断が必要になります。



(2)チャネルの幅
次に、チャネルの各段階で使う流通業者の数、つまりチャネルの幅を決定する必要があります。
この決定にあたっては、以下の基本政策があります。

①開放的流通政策
開放的流通政策とは、自社製品の販売先を限定せずに、広範囲にわたって開放的に製品を流通させる政策です。
一気にシェア拡大できるというメリットがある一方で、チャネルのコントロールが難しく、販売管理が複雑になるなどのデメリットがあります。また、同じ製品を流通業者間で販売競争させることとなり、価格の下落や、ブランド力の低下・製品のイメージダウンにつながる可能性が高くなるというデメリットもあります。そのため、高級ブランド品よりも、消耗品のような薄利多売に向いている政策です。

②選択的流通政策
選択的流通政策とは、販売力や資金力や協力度や競合製品の取り扱い状況などに応じて、流通チャネルを選定する政策です。
適度にコントロールができるメリットがありますが、開放的流通政策に比べるとシェア拡大のスピードは遅くなります。

③排他的流通政策
排他的流通政策とは、特定の地域や製品の販売先に独占販売権を与える政策です。このような販売先は、代理店・特約店と呼ばれます。
チャネルをコントロールしやすく、販売管理が容易になるメリットがある反面、チャネル維持のコストが大きくなりがちな上、 チャネル間での競争が働かないため流通チャネルが主体的に販売をしなくなるというデメリットがあります。




上記2つの戦略を決定したのち、エリア戦略・チャネル企業の選定を行い、チャネルに対する動機付け政策を決定します。
動機付け政策は、流通業者に対する支援(研修・協力など)、与えるマージンが存在します。マージンの要素は2つあり、在庫維持・配送などの機能に対するものと、販売量に応じたディスカウントが存在します。
この政策を決定するにあたり、流通業者にどんな機能を期待し、どの程度の販売量を目指すかを定めておく必要があります。

ここまでご説明したチャネル戦略構築にあたり、留意すべきことがあります。

(1)4Pの整合性

それは、冒頭でご説明したように、チャネル戦略は、マーケティングの
4Pの一つであり、それぞれの要素が整合性を保って、 はじめて効力を発揮するということです。
したがってチャネル戦略構築においては、商品価格に見合ったチャネル戦略コストな のか、製品の特性にあったチャネルなのか、ブランド展開や商品ラインナップに適応したチャネルなのか等を意識する必要があ ります。

(2)商習慣を意識する

取り扱う商材によって、すでに出来上がっている商習慣が存在します。特定の商品では、卸が二段階存在することもあり、それ を崩すことが困難な場合もあります。もしも崩すことが可能であれば大きなビジネスチャンスにはなりますが、必ずしもそうならないケースが多数あります。

以上のように、チャネル戦略は非常に重要な戦略であり、様々な要素を考慮する必要があります。市場規模や競合の動向、製品のライフサイクルの変化などを踏まえ、常に先を見え据えたチャネル戦略構築が、事業成功のカギを握ると言っても過言ではありません。