内発的動機付けの決定版はステークホルダーインタビュー
組織開発のプロジェクトにおいては、参加メンバーに本気になってもらう必要があります。
「このままでは我が社はヤバイ!」という危機感であったり、「実は俺たちすごい会社だったんだ!」というチャンスの認識を醸成することが重要です。
そのためには、上記の内容を経営陣や経営企画部長、人事部長が語るということが通常行われますが、この効果は限定的です。組織開発を仕掛けたご経験がある方であれば薄々気が付いておられるはずです。
ではどうすれば良いのか。そのための決定版のワークがステークホルダーインタビューです。
経営コンサルタントがステークホルダーにインタビューすることは古くからおこなわれてきましたが、ここでのポイントはワークショップ参加者自身がインタビューに行くことです。自ら質問し、自ら聞いた内容は当人たちに深くしみこみます。
インタビュー先の具体例
インタビュー先の具体例をあげておきましょう。
・有識者(業界紙の編集長など)
・顧客
・顧客の顧客
・工場
・海外スタッフ
・販売スタッフ
・退職者
・地域
・協力会社
・販売チャンネル
ジョハリの盲点の窓を聞きに行く
大変効果的なステークホルダーインタビューですが、失敗例も多くあります。
例えば、ディズニーランド(オリエンタルランド)の若手たちが、「ディズニーランドってどんな場所ですか?」と質問し、「夢の国です」と回答してもらったとしましょう。
それによって、上述したような「危機感の醸成」や「チャンスの認識」が起きるでしょうか。答えはNOです。
プロジェクトのメンバーは一生懸命聞いてきてその結果に自分たちでは満足しており、実は収集した情報が「筋が悪い」ことには全く気付いていない場合も多々あります。
そこでジョハリの窓の登場です。
ステークホルダーインタビューを紹介し、その作戦会議をしてもらう時間のまず最初にジョハリの窓を提示します。そして「盲点の窓」、すなわち自分たちのことなのに、自分たちでは気づいていない。でも外部の人は知っている。それを聞きに行くのだと意味づけましょう。
インタビューの玄人でないプロジェクトメンバーたちも、「ディズニーランドは夢の国」と聞いてきたら、それは「開放の窓」であり、インタビューがうまく行っていないことに気づきます。
また、インタビュー結果を持ち寄って意見交換をする場にも「盲点の窓」というキーワードが飛び交い、議論が豊かなものになります。