対立を避けて、真の相互理解が生まれるのか?
我々は組織内の対立というものを「避けるべき」とは考えず、「対立から変革へのパワーが生まれる」と考えています。一方で以下のような「対立は不要」という意見もあります。
組織の中には様々に異なる意見がある。それは当然だ。そこに冷静な気分のまま、大切な思いを開示し合うガチ対話会を開催すれば良いのではないか。そうすれば新たな発展が起きるはずだ。みんなが不愉快になる「対立」というプロセスを通過する必要はないはずだ。
一見正論のようですが、この流れはうまくゆきません。実際に冷静な気分のまま、異なる意見を持つ人同士の対話会を仕掛けたことがある方はわかるはずです。水面の上に顔を出している氷山の一部での相互理解は生じますが、大切な思いを開示しあうガチ対話には発展しません。当然のことながら、組織は全く変わらないままとなります。
「薪を燃やし尽くす」が必須
なぜ対立が必要なのか。それは冷静ではいられない感情的なモードになり、相手に対して言いたいことを全てぶつけて「薪を燃やし尽くす」状態に入るステップが必ず必要だからです。自分が潜在的に大切にしている「信念」「価値観」「動機」「思い」からくるものを存分に吐き出して、ある意味空っぽになった状態が出来ます。そこでて初めて、相手の「信念」「価値観」「動機」「思い」を受け止める準備が整います。相手の氷山の水面下を受け止めることができれば、自然と、大切な思いを開示し合うガチ対話が始まるのです。ここまでくれば組織は変わったも同然です。