AI活用研修
「AIの機能を知る」研修ではなく、「自分の仕事が指示の工夫ひとつでどう変わるか」を体感し、明日から自部門で使えるようになる。非技術系の実務者のためのハンズオン中心の1日プログラムです。
「AIは使えなかった」——その原因は、AIの性能ではありません
会社で生成AIが導入され、一通り触ってはみたものの、「思ったほど使えなかった」「結局、自分で書いた方が早い」。そんな声を耳にすることはないでしょうか。
その原因の多くは、AIの性能ではなく指示の出し方にあります。AIは、たとえるなら「物知りで優秀だが、御社の事情をまったく知らない新人」です。能力は高いのですが、前提・背景・指示が曖昧だと、自信たっぷりに的外れな答えを返してきます。しかも人間の新人と違って、悪気なく間違えます。
弊社のAI活用研修は、AIの機能紹介をする研修ではありません。同じ素材・同じAIでも、指示の出し方ひとつで成果物が別物になることを全員が実際に体感し、自分の仕事に持ち帰るためのプログラムです。エンジニア向けではなく、営業職や管理部門(人事・総務・経理・企画など)の非技術系の方を主な対象としています。
研修を貫く共通言語——プロンプトの4要素

冒頭のレクチャーで、この4要素を全員の共通言語として設定します。以降のすべてのワークが、この4要素に紐づけて展開されます。
レクチャーの締めくくりは、講師によるライブデモです。同じ議事録に対して「この議事録を要約してください」という指示と、4要素を入れた指示を投げ、その場で結果の差をご覧いただきます。多くの受講者が最初に「なるほど」と声を上げる瞬間です。
同じ素材から、これほど違う成果物が生まれる
研修の背骨となるのが、全グループに同一の議事録を配布するワークです。素材は、会議の書き起こしをそのまま使います。話し言葉、言い間違い、脱線、「えーと」といったノイズをあえて残した、実務そのもののテキストです。
各グループは「この議事録を何に使いたいか」を自分たちで決めます。上司への報告書、関係部署への展開メール、ToDo管理表、次回会議のアジェンダ案——目的が決まったら、4要素を意識してプロンプトを設計し、出てきた出力の物足りない点を指示に足して、2〜3回作り直します。この「作り直し」こそが学びの本体です。
最後に、全グループの出力を画面に投影して読み比べます。同一の素材から、なぜここまで違うものが生まれたのか。講師が4要素に紐づけて解説します。
自分の仕事の素材で、部門別に試す
次は、自分の仕事に直結する素材です。職種・部門の近い方でグループを編成し、ダミーデータを用いて実践します。
・営業向け:顧客企業の中期経営計画を読ませ、自社が貢献できる箇所と提案の切り口を抽出/商談メモから次回提案のストーリーと想定反論を生成/同じ連絡内容を相手別に3パターン書き分け
・経理・事務向け:集計表から読み取れる傾向と経営層向けコメントを生成/やりたいことを言葉で伝えて必要な関数や手順を教わる/乱雑なデータの分類・タグ付け・優先度整理
・総務・人事・企画向け:社内規程からFAQを自動生成/長文の英文資料の要点抽出と返信ドラフト/アンケート自由記述の論点分類と傾向要約
共有パートでは、「工夫したプロンプト」と「つまずいた点」をセットで発表していただきます。うまくいかなかった例こそ全体の学びになりますし、他部門の活用法を聞くことで「自分の仕事にも応用できそうだ」という発見が生まれます。
山場:AIを「思考のパートナー」として使う
ここまでは「素材を加工する」使い方でした。研修の山場となるのは、AIを仮説出しの相手・壁打ち相手として使う、一段上の体験です。
共通テーマには、多くの組織に通じる「残業がなかなか減らない」を用います。正解のない曖昧な課題であり、現場の事情を加味しないと机上論で終わる——だからこそ、対話して深める使い方とAIの限界を、同時に体感できるテーマです。
進め方は4段階です。まずAIに原因を多角的に構造化させて視野を広げ(発散)、「うちの現場では実はこういう事情がある」と自分たちの情報を追加して具体化し(深掘り)、打ち手を「明日からできる/3か月でできる/制度変更が必要」の3層に分類し(整理)、最後にAIの提案のうち自社に合わない机上論をグループで指摘し合います(批判的検証)。
講師が投げかけるのは、「AIが出した原因のうち、うちには当てはまらないものはどれでしたか」「この対話で、人間がやらなければならなかった役割は何でしたか」といった問いです。
落とし穴は、知識ではなく体験で押さえる
使えるようになった直後だからこそ、リスクを扱います。ただし、怖がらせて終わるのではなく、「正しく付き合えば安全に使える」という着地を目指します。
一つ目はハルシネーション(もっともらしい嘘)です。実在しない条番号をあえて尋ねるなど、AIが自信満々に誤答する様子を全員で観察し、「流暢さと正しさは別物」であることを腹落ちさせます。原則として「AIには考えさせ、事実確認は人間がする」を共有します。
二つ目は情報漏洩リスクです。「この情報は会社契約のAIに入力してよいか」を○×で判断するクイズ形式で、入力してよい情報の線引きを身体で覚えます。契約ツール(社内環境)と個人の無料ツールでは扱いが異なる点も明確にします。貴社にAI利用ガイドラインがある場合は、事前に人事・情報システム部門と連携し、このパートで実務に紐づけて確認します。
締めくくりは「明日からの宣言」

最後のワークで、一日の学びを自分ごとに落とし込みます。
自部門の定例業務・繰り返し作業をできるだけ多く書き出し、「AIに任せられる/一部任せられる/任せてはいけない(人間がやるべき)」の3つに仕分けます。そのうえで明日から実際に試すタスクを1〜3個選び、4要素を使ってプロンプトの下書きまで作成。最後に「私は明日、○○の仕事にAIを使ってみます」という宣言シートを記入し、グループ内で共有して相互に応援します。
研修を「良い体験」で終わらせず、明日からの具体的な行動に変換する——ここが最も大切なパートです。
研修概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 営業職・管理部門(人事・総務・経理・企画等)の従業員。非技術系の方が中心 |
| 想定人数 | 12〜24名(4〜6名 × 4〜5グループ) |
| 前提レベル | 個人で生成AIを少し触ったことがある程度。専門知識は不要 |
| 使用環境 | 会社契約の生成AIツールを各自のPCで利用(Wi-Fi・電源の確保が前提) |
| 時間 | 9:30〜17:00(休憩含む。実質約6時間) |
| 形式 | レクチャー+ハンズオン(実機操作)+グループワーク+全体共有のブレンド型 |
| 到達目標 | 意図あるプロンプトを組み立てられる/任せる仕事を仕分けできる/成果物を検証する姿勢を持つ |
演習素材は貴社の業務に合わせたダミーデータをご用意します。半日版への短縮や、職種を絞った設計にも対応いたします。
このような企業・部門におすすめです
・生成AIを導入したものの、社内での活用が一部の人にとどまっている
・「使ってみたが期待外れだった」という声が現場から上がっている
・情報漏洩やハルシネーションのリスクを、規程の通達だけでなく体験として理解させたい
・非技術系の社員(営業・管理部門)の生産性を、実務レベルで底上げしたい
・研修を受けて終わりではなく、翌日から業務が変わる形にしたい
内容・演習素材・時間は貴社の状況に合わせてカスタマイズいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
